医師の転職方法として最も一般的なのは、医局による紹介です。
現在も多くの方がこれによって就業先委員を決めていると思いますが、近年は民間の転職サービスの需要が拡大しており、市場規模は150億円を超えるとも言われています。
今回は医師専門の転職サイトの選び方や、転職活動におけるポイント、オススメの転職サイトなどをご紹介していきます。
医師おすすめ転職サイト比較【総合ランキング】
さて最後に『どの転職サイトを選べばよいか』についてご紹介したいと思います。
医師専門の転職サイトは多々ありますが、サイト選びが最初の難関です。ここではサイトごとにポイントをご紹介していきます。
エムスリーキャリアエージェント│医師おすすめ転職サイト 1位
エムスリーキャリアは、医師専門の転職サービスです。医師や薬剤師向けのサービスを多数展開するエムスリーキャリア株式会社が運営しており、100億円以上の売上高を誇る、業界でも規模の大きな企業です。
主な転職サービスとしては求人情報サイトの『m3.com CAREER』と転職エージェントの『エムスリーキャリアエージェント』があり、ニーズに合わせて使い分けが可能です。
- 非公開求人多数
- 医師の転職に特化したキャリアコンサルタントが多数在籍
- 医師登録実績11年連続ナンバーワン
エムスリーキャリアエージェントは、医師転職出も業界最大級の転職エージェントです。
非公開求人を多数掲載しており、転職成功者の90%が非公開求人での転職を実現しています。
早期転職にも対応可能であるほか、長期的な転職活動もサポートしてくれるので、希望に沿ったペースで転職活動ができます。
リクルートドクターズキャリア│医師おすすめ転職サイト 2位
言わずと知れた人材業界最大手リクルートのブランドを冠した、医師専門の転職サービスです。
『株式会社リクルートメディカルキャリア』というリクルートのグループ会社が運営しており、その歴史は約40年。医師向けの転職支援業界でも2番目の歴史を誇っています。
医師からの支持率も83%と高く、名実共に信頼できるサービスだといえるでしょう。
転職活動の際は個人情報などを預ける場面も多いため、信頼できるかどうかは重要な指標です。
- 非公開求人を含め、25,000件以上の求人を保有
- 求人情報だけでなく、コンテンツが豊富
- 優良求人(※)の割合は64%
※優良求人とは、『高収入/週4〜4.5日/クリニック勤務/当直無し/専門医、認定医取得』という医師が重視する勤務条件に当てはまる求人のこと。
25,000件以上と豊富な求人を有するだけでなく、様々なコンテンツも魅力です。例えば研修医のための『大学医局紹介』や、開業を目指す方向けの『開業コンテンツ』、独自インタビューが読める『注目の施設紹介』など。
また、医師に選ばれる優良求人の割合も64%と高く、魅力的な求人に出会える可能性も上がるでしょう。
医師転職ドットコム│医師おすすめ転職サイト 3位
医師転職ドットコムは、株式会社メディウェルが運営する医師専門の転職エージェントです。
『医師のQOL(クオリティーオブライフ)を応援する』ことを掲げており、キャリアだけでなくライフプランも一緒に考えてくれるのが魅力です。
これまで転職を支援してきた実績は、なんと20,000人以上。多くの医師に選ばれているあたりは、信頼できるポイントといえるでしょう。
- 求人数は業界最大級の約40,000件
- これまでに20,000人以上の医師の転職を支援
- 300人以上の転職体験記が読める
最大の特徴は、業界最大級ともいえる求人数です。
約40,000件もの豊富な求人を保有しており、選択肢はどのサービスよりも広いといえるでしょう。
また公式サイトでは300人以上の転職体験記を読むことができます。医師たちがどんな理由で、どんな病院に転職して、何を感じているのか。
体験記を読むことで、ご自身の転職活動の参考にもなると思います。
医師でも転職サイトを利用すべき理由
医局による転職先の紹介などが一般的な医師でも、転職サイトは利用するべきだと思います。
その最大の理由は、『可能性が広がる』という点です。
働きながら転職活動を進めやすくなる
『全業種の中で最も長時間労働の実態がある』と言われる医師。時間が無いことがネックになって、満足に転職活動ができないという方もいらっしゃるでしょう。
働きながら転職活動をするのであれば、転職エージェントの活用は外せません。転職のプロがあらゆる面で転職活動をフォローしてくれるので、融通も利かせやすいですし、効率的に進めることができます。
自力では探せない非公開求人を紹介してもらえる
ほとんどの転職エージェントは、サイト上では公開していない『非公開求人』を保有しています。
求人の秘匿性などの観点から公開できなかったり、条件が良いため応募が殺到しやすかったりという事情があります。
こうした非公開求人はサービスに登録することで紹介してもらえるようになります。自分では決して巡り合えないような魅力的な求人が多く、転職先選びの可能性も格段に広がります。
初めての転職にも心強い
転職活動は一人でも進められるもの。しかし初めての転職活動となれば勝手が分からない部分も多くなります。
仕事は人生の一部であり、本当に自分に合った病院を見つけるのは簡単ではありません。だからこそ頼れるパートナーを探すことが大切です。
キャリアコンサルタントに「初めて転職するので不安がある」とあらかじめ伝えておけば、きちんと基礎的なことからフォローしてもらえるでしょう。
医師が転職サイトを選ぶ際のポイント
世の中には医師専門の転職サービスが多数ありますが、最初に決めるべきは「どのサービスを選ぶか」ということ。
この項目では、そのポイントを解説します。
求人数の多い転職サイトを選ぶ
最初に重視すべきポイントは、求人数の多さです。求人の質でサービスを選ぶ方法もありますが、何も知識がない状態で求人の質を見極めるのは難易度が高め。
そこで、単純に数で比較できる『求人数』という基準で選ぶのがオススメです。
全求人数はもとより、ご自身の担当科目の求人数もチェックしてみてください。
医師専門の転職サービスの場合、ほぼすべてに『科目で検索する』という検索軸が用意されています。
ここからご自身の専門科目を選択し、求人数を見てみましょう。
特に歯科医の方は、通常の転職エージェントではなく、歯科医に特化した転職サービスがおすすめです。
こちらの記事では、おすすめの歯科医転職サービスを紹介しているので、気になる方はぜひ参考にしてください。
コンサルタントサービスの有無に注目
その転職サービスに、コンサルタントサービスがあるかどうかもチェックしてください。
コンサルタントサービスとは、いわゆる『転職エージェント』や『人材紹介』と呼ばれるものです。
転職者と病院との間にキャリアコンサルタントが立ち、求人の紹介やキャリアのアドバイス、選考のサポート、面接調整、条件交渉などを代理で行ってくれるサービスです。
仕事をしながらの転職活動であれば、多忙で満足に時間も取れないはず。そこでこうしたサービスを活用することで、効率的に転職活動を進めることができます。
特に医師専門のキャリアコンサルタントたちは、医師の転職活動に関するプロ。キャリアや転職先についての相談もしやすいはずです。ぜひ有効活用してみましょう。
医師が転職サイトを利用する際の良くある質問
転職サイトや転職エージェントを活用するメリットは多いですが、逆にデメリットはないのでしょうか。ここでは、不安に思いやすいポイントについてご紹介します。
紹介料がかかるから転職は不利になる?
ここで言う『紹介料』とは、紹介を依頼した病院側が転職サービス側に支払う紹介料のことです。
医師を採用すれば、当然ながら紹介料が発生します。その金額は各エージェントによって異なりますが、だいたい年収額の35%前後だといわれています。
年収800万円の方であれば、単純計算で280万円の紹介料が発生する計算です。
医局による紹介や自社採用の場合は、こうした紹介料・手数料などは発生しませんが、転職エージェントを活用することでどうしてもコストは発生してしまいます。
これは病院側にとってはデメリットです。
たとえば転職エージェント経由の転職者と医局から紹介された転職者を見比べたときに、スキルや経験がほとんど変わらないのであれば、コストが掛からない後者を選ぶのが当然。
ゆえに「絶対に不利にならない」とは言い難いのが正直なところです。
とはいえ、病院側が転職エージェントを活用している時点で費用の発生はある程度見込んで採用活動を行っているはずなので、エージェント経由だからと不当に不採用となることはないでしょう。
コンサルタントから転職を急かされる?
転職エージェントを活用すると、100%自分のペースで転職活動を進められるわけではありません。
たとえば、応募できる求人情報をいつ共有してもらえるかはキャリアコンサルタント次第ですし、面接の日程調整や条件交渉なども全てコンサルタントを介することになります。
何よりネックになり得るのは、『転職を急かされる』可能性があるということ。
転職エージェントは、採用が決まって初めて紹介料という形で報酬を得ることができます。そのため何とか採用を決めようと、転職を急かしてくることがあります。
転職エージェントから過度なプレッシャーを感じた場合は、「焦らずに転職先を決めたいので、もう少しペースを考えてください」といったように、きちんと要望を出すようにしましょう。
勤務先に転職活動しているとバレる?
事情があって、勤務先の病院に転職活動の事実を伝えていないという方も多いはずです。
多くの転職サイトには、『スカウト機能』というものがあります。登録したユーザーの情報を企業が調べて、自社に合った人材に直接メッセージを送るという機能です。
個人情報保護のために、氏名や住所、電話番号などはマスキングされますが、職務経歴や専門科目などの情報は閲覧することができます。
つまり、内容によってはあなた自身だということがバレる可能性もあるのです。
ただし転職サイトには『公開設定』の機能もあり、社名を登録しておけば、特定の病院・企業などに情報を公開しないように設定することもできます。
転職エージェントの場合は、キャリアコンサルタントに「勤務先の●●病院と関連病院には、私が転職活動をしていることが分からないようにしてください」といったように伝えておけば問題ありません。