「最近の若者は欲がない」という声を最近よく耳にします。
確かに近年、ワークライフバランスや、FIREという新しいキャリアの考え方が広まっており、昔より会社で出世したいと考える人は減っているのかもしれません。
そこで今回、弊社では20代の男女を対象に、「出世欲」に関するアンケートを実施しました。
当サイトで集計したアンケート結果によれば、20代で出世したくない人の割合は約77%と非常に高い割合であることが分かりました。
では、どうして出世したくない20代はこんなにも多いのでしょうか。
この記事ではアンケートの調査結果と、そこから読み取れる現代の20代が考えるキャリアについて解説していきます。
【調査対象】20~29歳の男女2327人(内訳:男性1127人、女性1200人)
【調査エリア】全国
20代で出世欲がないのはヤバい?
「出世したいとは思わないんだけどそれってヤバい?」と考えている20代の皆さん、実は意外と20代で出世欲のない人は多いってご存じですか?
当サイトが20代に対して行った調査によれば、20代のうち約77%は役職者に出世したくないと回答しています。
また、出世したいと回答している人の回答を見てみると、大多数が給与のためと回答しており、キャリアプランや社会的地位といった非金銭的な要素に魅力を感じる人は少ないようです。
出世欲のない20代に共通する7つの特徴
出世欲のない20代に共通する特徴は、以下の7つです。
- 現状に満足している
- 責任のある仕事をしたくない
- 会社に対して愛着がそこまでない
- 仕事はとりあえずこなす
- 社内の人間関係に興味がない
- ワークライフバランスは維持したい
- 嫌われたくない
以下で詳しく解説していきます。
現状に満足している
出世したくない20代に共通する特徴として、現状に満足していることが挙げられます。
安定している企業に入社してから、不自由なく働けている状態だと、段々と向上心がなくなってしまう人もいます。
20代のうちに安定感を得てしまうと、今後30代40代で出世を目指していく過程で、やる気を失ってしまう原因にもなりかねません。
責任のある仕事をしたくない
責任のある仕事をしたくないというのも、出世欲がない20代に共通する特徴です。
出世して役職につくと、必然的に部下を持ちマネジメントをすることになります。
マネジメントをする立場になると、部下の失敗の責任も請け負う必要が出てくるシーンもあります。
自分がやっていないことでも、教えている立場の責任として一緒に責任を取らなければなりません。
年功序列制度のある企業では年齢が上がるにつれて、必然的にそのポジションに収まることもありますから、20代のうちはできるだけ避けておきたいと考える人が多いのです。
会社に対して愛着がそこまでない
20代が出世欲のない原因として、会社に対して愛着がそこまでないことが挙げられます。
まだ入社して日が浅いため、会社内でのし上がっていく気持ちにはまだ慣れていないことも多いのです。
会社に対して愛着がわいていない状態だと、今から仕事をがんばってもそのあとのビジョンが見えていないため、出世をしようという気持ちにならないのです。
仕事はとりあえずこなす
出世欲のない人からすると、仕事はとりあえずこなすものとしてとらえていることも多いです。
企業規模が大きい或いは既に企業内で仕事の進め方がマニュアル化されている場合、仕事自体を定められているルーティン通りに進めれば毎日生活できることもあります。
とりあえず仕事をこなすことになれてしまうと、出世しなくても生活できるレベルの収入をもらえるので、頑張る意欲がなくなってしまうのです。
社内の人間関係に興味がない
社内の人間関係に興味がない人も、出世欲のない人に共通する特徴です。
出世しようとする人は、社内の人間関係に細かく気を配り、誰についていけば自分が正当かつ効率よく評価してもらえるかを判断しています。
一方で出世欲のない人は、社内の人間関係のごたごたに巻き込まれるのを避けるため、上司との食事会や飲み会を避ける傾向にあります。
縦のつながりを出来るだけ排除して、無駄な負担を軽減したいと考えるケースが多いです。
ワークライフバランスは維持したい
出世欲のない人に共通する特徴として、ワークライフバランスを維持したいと考えるケースです。
最近では時差出勤やフレックス出社、プライベートの充実等、ワークライフバランスを考慮した働き方が人気を集めています。
実際に当サイトが取ったアンケートによれば、出世したくない20代が出世を避ける理由として、「責任のある仕事をしたくない」「プライベートを充実させたい」という声が多く寄せられていました。
出世をすると段々と仕事に費やす時間も増えていきますから、休みの日でも仕事に追われてしまうことも増えていきます。
出世をせずに安定して生活ができるだけの収入を得られればOKという考えの人が増えているのでしょう。
嫌われたくない
出世をして部下を持つようになると、言いたくないことまで言わなければならず、部下から嫌われてしまう可能性もあります。
社内での人間関係を円滑に進めていきたい方からすれば、嫌われることで社内の居心地が悪くなってしまうのはどうしても避けたいことでしょう。
出世をして部下を持たないために、出世コースから自発的にフェードアウトしてしまう人も多いのです。
20代から出世を目指す3つのメリット
20代から出世について考えるのは難しいことですが、早い段階から出世を目指し始めることで、下記のメリットが得られます。
- 早い段階から仕事のスキルを身に着けられる
- 他の同期よりも出世が速くなる
- 転職活動で経験を活かせる
以下で詳しく解説していきます。
早い段階から仕事のスキルを身に着けられる
20代から出世を目指して行動することで、早い段階から仕事のスキルを身に着けられるメリットがあります。
若いうちから様々なことにチャレンジしてみて 仕事のスキルを身に着けていくことで、同年代の人達よりも抜きんでたスキルを身に着けられるのです。
スキルは一朝一夕では身につきませんから、早期の段階から動き出すことでスタートダッシュを切れるのです。
またスキルの種類によっては資格取得が可能なものもあります。
資格取得することで社内での資格手当支給条件を満たせることもあります。
他の同期よりも出世が速くなる
20代から出世を意識した仕事をしていると、必然的に他の同期よりも出世が速くなるメリットもあります。
同期とは同じタイミングで入社しているものの、その後の社内での過ごし方によって出世のタイミングに差が出てきます。
他の同期よりも出世が速くなることで、給与UPのスピードも上がるため将来的に金銭面的にも安定しやすくなる可能性があるのです。
転職活動で経験を活かせる
20代から出世を目指して行動し、早い段階から役職をもらうことで転職活動で経験を活かせるメリットもあります。
どれだけ頑張っていても、やはり企業にはあうあわないもありますし、今後の自分のキャリアを考慮して転職活動をスタートすることもあるでしょう。
出世するために会社のためにしてきた行動は、伝え方次第で転職活動で大きな武器になることもあります。
出世=会社の利益のためになる行動の評価の結果ですので、意識して行動できているひとであれば転職先も見つけやすくなるでしょう。
20代から出世を目指す3つのデメリット
20代から出世を目指すデメリットは、以下の通りです。
- 仕事におけるストレスが増える
- プライベートの時間が無くなる
- 会社によっては給料の伸び幅が薄いことも
以下で詳しく解説していきます。
仕事におけるストレスが増える
20代から出世を目指そうとすると、色々な仕事をこなして成果を上げることに集中しなければなりません。
そのため毎日仕事にアンテナを張らなくてはならず、仕事におけるストレスがだんだんと増えていきます。
20代のうちから仕事に打ち込みすぎてしまうと、仕事に慣れていない状況に加えて自分を追い詰める機会も増えていきます。
日常的にストレスを感じていると、人によっては適応障害などの精神的疾患を引き起こしてしまう可能性もあります。
ストレスをうまく解消する方法を見つけ出してみることをおすすめします。
プライベートの時間が無くなる
20代で出世を目指すことで、プライベートの時間が無くなってしまうこともあります。
仕事を日中効率よく進めるために、簡単な雑務は自宅に持ち帰って作業することもあります。
プライベートの時間を費やして仕事の効率化を図ることもありますから、段々と休みの日と仕事の日の境目が分からなくなってしまう人も多いのです。
会社によっては給料の伸び幅が薄いことも
出世することによって役職手当がもらえるのは基本的にどの企業も共通しているのですが、会社によっては給料の伸び幅が薄いこともあります。
企業によって給与体系は大きく異なりますから、管理職に就任しても給与がそこまで伸びないこともあるのです。
万が一せっかく出世しても給与が上がらない場合には、他の給与体系のしっかりしている企業への転職活動が必要になることもあります。
20代以降出世を目指さないとどうなる?
20代はまだ社会に出てからの経験が浅いですから、まだ出世を意識していない人も多いです。
しかし20代以降、出世を目指さずに現状維持のまま進んでいくと、将来後悔する羽目になる可能性もあるのです。
20代以降出世を目指さないと、下記のトラブルが発生する可能性があります。
- リストラされる可能性が高くなる
- 同期がどんどん出世していく
- 給料が一定幅のまま
- 転職活動がやりづらくなる
以下で詳しく解説していきます。
リストラされる可能性が高くなる
20代以降出世を目指さないことで、万が一務めている会社が経営難に陥ったとき、リストラされる可能性が高くなります。
企業内では出来る限り効率的に仕事の出来る人材のみのを残して、人件費を削減しようとするのが当たり前です。
万が一会社の業績が悪化してしまい、社内の人件費削減に動き出してしまうと、出世する意欲のない人材は段々とリストラされていきます。
社内で人材育成に携わる気のない人材をいつまでも置いておくほど、企業は易しくはありません。
30代・40代になってもなお、出世する気がないのであれば段々とリストラ予備軍になってしまう可能性がありますので、注意が必要です。
同期がどんどん出世していく
20代以降出世を目指さないままで生活していくと、同期がどんどん出世していく中に取り残されてしまう可能性が出てきます。
30代にもなると後進の育成のために、どんどん管理職に登用される機会も増えていきます。
その中で出世を避けてばかりいると、同期に取り残されて自分だけ平社員として働き続けなければなりません。
同期の出世していく姿を見守るのもいいですが、段々と劣等感にさいなまれてしまうかもしれません。
給料が一定幅のまま
出世しないままずっと働き続けていくと、給料が一定幅のまま変化しないため年齢に見合った給料ではなくなってしまいます。
上述した通り、出世するにつれて企業内での役職手当が支給されていきますから、年次昇給に加えて給料に段々とプラスされていきます。
しかし出世をさけて基本給のみを受け取り続けていくと、平均収入から脱することはできません。
他の同期が役職手当を受け取っていい生活を送っている一方で、自分は給料が上がらず生活水準が上がらない現状に苦しめられる可能性もあります。
転職活動がやりづらくなる
出世をしないことで、転職活動がやりづらくなる可能性もでてきます。
20代以降、キャリアアップのための転職活動を検討し始める人も多いです。
転職活動を始める際に、年齢に見合ったキャリアがついていないと、他の転職者に埋もれてしまう可能性もあるのです。
せっかくスキルがあったとしても、20代以降の転職活動ではマネジメント経験やスキルが求められます。
出世を避け続けていると、転職活動がやりづらくなってしまう可能性もありますので、注意が必要です。
出世欲のない20代は会社内でどうすればいい?
「現時点で出世したいとは思わないけど、会社でどうふるまえばいいのかわからない」という方もいることでしょう。
出世欲のない20代が、会社でそつなくふるまう方法も、下記で紹介していきます。
自分の興味のある仕事を見つける
出世欲のない20代は、現在働いている企業から離れて、自分の興味のある仕事を見つけるのも一つの手です。
今働いている企業でやる気が起きないのは、仕事に対して興味がわいていないからという可能性もあります。
自分の興味のある仕事を見つけることで、その会社で認められて稼ぎたい!という気持ちがわいてくるかもしれません。
現在の会社で出世したくない理由を見つめ直して、転職すべきかを判断してみるのもいいでしょう。
役立つスキルを身に着けておく
出世欲のない20代は、自分の仕事に役立つスキルや、市場価値の高いスキルを働きながら身に着けておくこともひとつの手です。
他の仕事でも役立つスキルを身に着けておくことで、いざ転職活動をするときにも役立つ可能性があります。
働きながらプログラミングの勉強をしてみてもいいですし、検定試験を受験してもいいでしょう。
スペシャリストの道を目指す
会社内で出世したくない気持ちがあるならば、会社内で担当している業務のスペシャリストを目指すのもいいでしょう。
企業内では管理職とは別に、業務のスペシャリスト枠が求められることも多々あります。
会社内での仕事内容のうち、他の社員に負けないスキルを持っていると、スペシャリストとしての地位を確立できます。
20代でも将来のビジョンを今のうちに練っておこう
いかがでしたか?
20代でも出世したいと考えている人は全体の約2割との結果で、一般的に言われる通り出世欲が薄いことが分かります。
しかし出世に伴う責任と給与が見合っていないことから、ワークライフバランスを重視した働き方を選択する人も多いことが分かりました。
まだ20代だと出世に対して意欲がわかないこともありますが、今後のことを考えると、何かしら同期と差別化が必要になってきます。
今のうちから出世のために何かしら行動してみる或いはスキルを身に着けるなど、小さなことから始めてみてはいかがでしょうか。