薬剤師の資格を持っていたり、現在薬学部で学ばれている方で、就職・転職をするためにダブルライセンスを検討している方も多いのではないのでしょうか。
薬剤師の資格のほかにもう一つの資格を取得するダブルライセンスですが、就職・転職に有利です。
当サイトでも薬剤師の就職・転職に是非おすすめしたいのですが、どのような資格がダブルライセンスに向いているのでしょうか。
本記事では、薬剤師の就職・転職に有利なダブルライセンスについて解説します。
薬剤師にダブルライセンスは必要?
薬剤師にダブルライセンスは必要なのでしょうか?
薬剤師は年々増加傾向にある
薬剤師は年々増加傾向にあります。
2024年3月19日に発表された「令和4(2022)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況」によると、薬剤師は年々増加傾向にあることがわかります。
年度 | 薬剤師の人数(人) |
---|---|
平成6年 (’94) | 176,871 |
8 (’96) | 194,300 |
10 (’98) | 205,953 |
12 (2000) | 217,477 |
14 (’02) | 229,744 |
16 (’04) | 241,369 |
18 (’06) | 252,533 |
20 (’08) | 267,751 |
22 (’10) | 276,517 |
24 (’12) | 280,052 |
26 (’14) | 288,151 |
28 (’16) | 301,323 |
30 (’18) | 311,289 |
令和2年 (’20) | 321,982 |
4 (’22) | 323,690 |
引用:令和4(2022)年医師・歯科医師・薬剤師統計の概況 3薬剤師 より
平成6年に17万6,871人だった薬剤師は令和4年には32万3,690人となっており、約1.8倍以上増えています。
他の薬剤師よりも就職・転職を有利にするダブルライセンス
ダブルライセンスで他の薬剤師よりも有利に就職・転職が有利になるでしょう。
上述したように薬剤師は増加傾向。待遇の良い職場は高い競争が予想されます。
やる気・元気・性格が良いなどは面接官の受け取り方によって左右される一方、もう一つ資格があるというのは客観的なプラス材料でしょう。
他の薬剤師よりも就職・転職を有利にするために、是非ダブルライセンスを目指してみましょう。
ケースによっては薬剤師としての知識経験を他の職種で活かせる場合も
ケースによっては薬剤師としての知識や経験を、他の職種に就職・転職することで活かせる場合もあります。
ここまで薬剤師として就職・転職することを目的としてダブルライセンスを考えてきました。
しかし、もう一つの資格を取得して、その資格で就職・転職するにあたって薬剤師の資格や実務経験があることが活きる場合もあります。
後述するように、弁理士として特許取得の代行を行うにあたって、薬剤師としての薬学の知識が専門性となるような場合が挙げられます。
薬剤師だけではなく世界を広げてみたい場合にはダブルライセンスの取得が良いでしょう。
薬剤師のダブルライセンスの2つの方向性
薬剤師のダブルライセンスには2つの方向性があります。
ダブルライセンスで薬剤師の専門性の高さを示す
ダブルライセンスの取得の方向性の1つは、薬剤師の専門性の高さを示すものです。
同じ薬剤師の資格を持っていても、より薬剤師としてより深い知識が必要とされる資格を取得していると、他の薬剤師よりも専門性の高さを示せます。
薬剤師というとかつては薬局やドラッグストアで患者に対して調剤・服薬指導・薬歴管理をすることがメインの業務でした。
このような働き方をする上では、ダブルライセンスを取得したとしても業務内容が変わる・待遇が良くなるといったことは期待できないでしょう。
しかし、高度最先端医療の分野のように、新たな医療技術や新薬が次々に登場しており、極めて高度な専門知識やスキルが必要とされます。薬剤師も例外ではありません。
このような背景から専門的な知識を習得していることを示せるダブルライセンスの取得が、就職・転職に役に立ちます。
ダブルライセンスで活動の範囲を広げる
ダブルライセンスの取得の方向性の1つは、活動の範囲を広げるものです。
高齢化社会が進む現在では、自宅で療養している高齢者のための在宅医療が推進されたり、療養型老人保健施設(老人ホーム)など、医療サービスのあり方が大きく変化しています。その中で薬剤師の役割も同様に変化しており、ダブルライセンスによって活動の幅を広げることで変革する世の中に対応していくことができます。
また、上述の弁理士の例のように、薬剤師としての知識を持っていることが大きなアドバンテージとなる仕事もあります。
以上のような観点から、以下ダブルライセンスとしておすすめのものをご紹介します。
高い専門性を示す!薬剤師資格必須のダブルライセンス
ダブルライセンスとしておすすめのものの筆頭は、薬剤師資格が必須となり、さらに高い専門性を示すためのこれらの資格です。
資格名 | 資格の概要 |
---|---|
研修認定薬剤師 | レベルの高い薬剤師業務を遂行するために単位を取得したあと認定される |
認定実務実習指導薬剤師 | 薬学生に対して現場における実務実習の指導にあたることが可能 |
専門薬剤師 | 特定の分野で薬物療法などに関する十分な知識をもつ薬剤師が得られる資格 |
スポーツファーマシスト | アンチドーピングに関する最新の知識が必要 |
研修認定薬剤師
研修認定薬剤師は、公益財団法人日本薬剤師研修センターが主催するもので、倫理・基礎薬学・医療薬学・衛生薬学及び薬事関連法規・制度など、薬剤師業務を遂行するために必要な事項について、所定の単位を取得して認定された薬剤師のことをいいます。
「薬剤師は、時代に即応した医療需要と社会的要請に応え、薬剤師として必要な責務を全うするために、生涯にわたって研修等による自己研鑽に努めなければなりません。」
引用:研修認定薬剤師制度(制度の概要)|公益財団法人日本薬剤師研修センター
公益財団法人日本薬剤師研修センターのホームページにもあるように、薬剤師は資格取得後に生涯様々な事項について自己研鑽を続ける必要があります。
研修認定薬剤師は、研修の効果を客観的にわかるように認定制度とするもので、一定の研修を受けて単位を取得し、認定を申請した人を対象に認定を行うものです。
新規は4年、更新する場合は3年の更新制であり、常に研修を受けて単位を取得しつづける必要があります。
ダブルライセンスにより薬剤師として普段から自己研鑽を積んでいることを示せるようになり、就職・転職の際に有利といえるでしょう。
詳細:研修認定薬剤師制度(制度の概要)|公益財団法人日本薬剤師研修センター
認定実務実習指導薬剤師
認定実務実習指導薬剤師は、一般社団法人薬学教育協議会が主催するもので、6年制薬学教育制度下の薬学生に対して、医療の現場における実務実習の際に指導に当たることのできる薬剤師を認定する制度です。
認定実務実習指導薬剤師認定制度実施要領に定める要件を満たした薬剤師が薬学教育協議会の講習会の受講をして、単位取得によって認定実務実習指導薬剤師の認定が受けられます。
こちらに認定されることも、薬剤師としての専門知識を示すために役に立ち、就職・転職に有利となるでしょう。
参考:認定実務実習指導薬剤師申請について|一般社団法人薬学研究協議会
専門薬剤師
専門薬剤師は、一般社団法人日本医療薬学会が主催している「医療スタッフの協働・連携によるチーム医療において質の高い薬剤師業務を実践するとともに、その領域で指導的役割を果たし、研究活動も行うことができる能力を有する薬剤師を認定する制度」です。
医療薬学専門薬剤師制度・がん専門薬剤師制度・薬物療法専門薬剤師制度・地域薬学ケア専門薬剤師制度の4つの専門薬剤師制度があり、それぞれの分野において高い知識・技術を持っていることが示せます。
これらの施設で薬剤師として就職・転職するのに役に立つといえます。
公認スポーツファーマシスト
薬剤師の認定試験の一つである公認スポーツファーマシストは、最新のアンチ・ドーピング規則に関する知識を有する薬剤師であることを示せる民間資格です。
公認スポーツファーマシストは、一般社団法人日本スポーツフェアネス推進機構(J-Fairness)・公益財団法人日本アンチ・ドーピング機構(JADA)が共催するもので、日本薬剤師会が協力しています。
国民スポーツ大会に向けての都道府県選手団への情報提供や学校教育の現場における
アンチ・ドーピング情報を介した医薬品の使用に関する情報提供といった活動が期待されており、スポーツ分野の薬学の知識の高さを示すことができます。
そのため、これらの分野で薬剤師として就職・転職する場合に有利になるでしょう。
参考:公認スポーツファーマシスト認定制度概要|スポーツファーマシスト
薬剤師の在宅介護や高齢化のサービス提供に強い資格
在宅介護や高齢者向けサービスを提供する会社などへの就職・転職に強くなるダブルライセンスとして次のものがあります。
資格名 | 資格の概要 |
---|---|
介護福祉士 | 高齢者や障害者の介護専門職としてのスキルが証明できる国家資格 |
ケアマネジャー(介護支援専門員) | 要支援・要介護認定者およびその家族からの相談を受け、ケアプランを作成し、自治体や他の介護サービス事業者との連絡・調整等を行う公的資格 |
サービス介助士 | 高齢の人や障害がある人を手伝う「おもてなしの心」と「介助技術」があることを示す民間資格 |
社会福祉士 | 身体や精神上の障害があるなどで日常生活を営むのに支障がある者の福祉に関する相談に応じ、助言・指導・福祉サービスを提供する者や医師などの連絡及び調整や、その他の援助を行なう国家資格者 |
福祉住環境コーディネーター | 高齢者や障がい者に住みやすい住環境を提案する民間資格 |
介護福祉士
介護福祉士は、高齢者や障害者の介護専門職としてのスキルを示す国家資格です。
介護施設で介護福祉士の資格を持っている人がいることで介護報酬の加算が認められている場合があります。
そのため、介護施設で薬剤師として働く場合に、介護福祉士は就職・転職で有利になるばかりではなく、給与面でも有利になります。
令和4年度介護従事者処遇状況等調査結果によると、何の資格が無い職員の平均月収が268,680円であるのに対して、介護福祉士の資格を有している人の平均は331,080円となっており、約62,000円介護福祉士のほうが高いという結果が出ています。
介護福祉士とのダブルライセンスは、介護施設で薬剤師として働く場合など、就職・転職にあたって大きなアドバンテージになるといえます。
参考:介護福祉士国家試験|公益財団法人社会福祉振興・試験センター
ケアマネジャー(介護支援専門員)
ケアマネジャー(介護支援専門員)は、介護保険法等を根拠に、ケアマネジメントを実施することのできる公的資格のことをいいます。
ケアマネージャーの資格を持っている薬剤師は、薬と介護の両方の視点から患者を評価することができることになり、患者にとってメリットが大きいです。
厚生労働省の令和6年の介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況という統計によると、薬剤師とケアマネージャーのダブルライセンス所有者は20,903人となっています。これは、ケアマネージャーの累計合格者数768,287人の中の2.7%に過ぎず、非常に貴重な存在といえます。
(参考:第27回介護支援専門員実務研修受講試験の実施状況について|厚生労働省)
そのため、就職・転職に有利といえます。
参考:介護支援専門員(試験問題作成)|公益財団法人社会福祉振興・試験センター
サービス介助士(ケアフィッター)
サービス介助士とは、公益財団法人日本ケアフィット共育機構が主催する民間資格で、「年齢や障害の有無に関わらずに誰もが社会参加できるように必要なことをその人、その場にあったやり方で出来る( = ケアをフィットする)人になるための資格」です。
引用:サービス介助士(ケアフィッター)とは|公益財団法人日本ケアフィット共育機構
サービス業分野を中心に体に生涯のある方のサポートの方法についての知識を得ることができます。
治療で薬が必要な人の中には病気や障害を抱える人も多く、その対応についての知識を示すことができるダブルライセンスといえます。
社会福祉士
社会福祉士は、身体・精神上の障害にある人などからの相談に応じて、助言・指導をしたり、福祉サービス・医師・その他の保健医療サービスとの連携・調整・援助を行うことを業務とする国家資格です。
合格することでこれらの専門知識を示せるとともに、合格者の社会福祉士として名乗ることができます(名称独占といいます)。
介護施設・病院・地域包括支援センターなどに就職するのに有利となる資格であり、これらの施設で薬剤師として勤務する場合に社会福祉士としての資格をもっていることを示すことができます。
そのため、ダブルライセンスで就職・転職に有利となります。
参考:社会福祉士国家試験|公益財団法人社会福祉振興・試験センター
福祉住環境コーディネーター
東京商工会議所が主催する民間資格が福祉住環境コーディネーターです。
医療・福祉・建築について体系的で幅広い知識を身につけ、高齢者や障がい者に対して、住みやすい住環境をアドバイスする能力を示すことができます。
施設や店舗などで薬剤師として働くにあたり、利用しやすい環境を提供するのに役に立つなどの効果が期待できるので、ダブルライセンスで就職・転職に有利となるでしょう。
薬剤師の仕事で食事の指導をする場合に有利な資格
薬剤師の仕事として、服薬だけではなく食事の指導や食事療法などに関わる場合には、これらの資格のダブルライセンスが役に立つでしょう。
資格名 | 資格の概要 |
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管理栄養士 | 管理栄養士は病気を患っている人に栄養指導・管理を実施することができる国家資格 |
食生活アドバイザー | 食生活を総合的に見直す幅広い見識を持ち、的確な指導やアドバイスをするスペシャリストであることを示す民間資格 |
調理師 | 食品の調理技術の合理的な発達を図り、もって国民の食生活の向上に資することを目的とする国家資格 |
薬膳コーディネーター | 薬膳に対する知識を活かし、健康な体作りに貢献できる民間資格 |
日本糖尿病療養指導士 | 糖尿病の臨床における生活指導のエキスパートであることを示す民間資格 |
管理栄養士
管理栄養士とは、怪我や病気で療養している人に必要な栄養の指導などを業務として行う人のための、国家資格です。
病院や介護保険施設で、管理栄養士の資格を有している人がいる場合報酬加算もあるため、病院・介護保険施設への貢献ができるため、これらの施設への就職・転職に役に立つダブルライセンスです。
食生活アドバイザーⓇ
食生活アドバイザーⓇは、一般社団法人FLAネットワークトⓇ協会が主催する、「食生活を総合的に見直す幅広い見識を持ち、的確な指導やアドバイスをするスペシャリスト」であることを認定する民間検定資格です。
引用:食生活アドバイザー®検定とは|一般社団法人FLAネットワークトⓇ協会
病院や介護の現場で服薬だけではなく食事に関する指導をするスキルを示すことができ、就職・転職に有利となるダブルライセンスでしょう。
調理師
調理師とは、調理師法に基づき、都道府県知事から免許を受けて、調理の業務に従事する国家資格です。
調理師は、飲食店だけでなく、病院や介護施設でも調理業務を担当します。
薬剤師として服薬だけではなく、食事に関する知識を深めたことを示すことができ、就職・転職で有利になるダブルライセンスでしょう。
参考:令和6年度調理師試験|公益社団法人調理技術技能センター
薬膳コーディネーター
薬膳コーディネーターとは、薬膳についての教育機関である本草薬膳学院が主催する資格で、中国薬膳に対する知識を活かして、地域や職場で健康な体作りに貢献できる民間資格です。
指定の通信講座を受けることで取得できるので、本記事の資格の中では取りやすいので手軽にダブルライセンスを取得するにはもってこいでしょう。
勤務する薬局などで薬膳を取り扱っているような場合には就職・転職に有利となるでしょう。
薬膳コーディネーターは通信講座を取り扱っている各社の通信講座を参考にしてください。
(※角田より:他の資格のように主催者の公式HPが見つかりません(他のHPにも記載がありません)ので、公式URLを貼れません)
日本糖尿病療養指導士(CDEJ)
日本糖尿病療養指導士(CDEJ)は、一般社団法人日本糖尿棒療養指導士認定機構が主催する民間資格で、糖尿病の臨床における生活指導のエキスパートであることを示す資格です。
糖尿病診療におけるチーム医療の体制づくりには、医師だけではなくコメディカル・スタッフが不可欠です。
日本糖尿病療養指導士の認定を受けることで、薬剤師としてコメディカル・スタッフとしての専門性を示すことができます。
糖尿病治療専門の病院や、総合病院などの就職・転職に有利となる可能性があります。
参考:CDEJとは|一般社団法人日本糖尿棒療養指導士認定機構
薬局・ドラッグストアに就職・転職するのに役立つ資格
ドラッグストア・薬局に勤める薬剤師に有利な知識があることを示す資格には次のものがあります。
資格名 | 資格の概要 |
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販売士 | 接客、マーケティング、商品の管理などに有利な資格。 |
秘書検定 | 秘書や事務業務に関わるスキルが証明できる資格 |
NR・サプリメントアドバイサー | 保健機能食品やサプリメントのベストな摂食方法をアドバイスできる資格 |
販売士
販売士は、日本商工会議所が主催する、接客・マーケティング・経営や流通・小売業で必要な知識・技能の習得を目的とする民間検定資格です。
ドラッグストアや薬局では、薬剤師としての仕事のほかに、1店舗として他と競争をすることも考えなければなりません。
単に薬剤師として勤務するだけではなく、店舗の運営という観点から広く携われるスキルは、ドラッグストア・薬局で責任ある立場になるためには必須です。
販売士は、ドラッグストア・薬局などに就職・転職するのに役に立つでしょう。
参考:販売士|日本商工会議所
秘書検定
秘書検定は、公益財団法人実務技能検定協会が主催する「社会に出て働く人なら誰でも備えておかなければならない基本的な常識」の習得を目的とする民間資格です。
特にビジネスにおける常識が問われる秘書に不可欠なものですが、ビジネスにおける常識やマナーをみにつけていることは、雇用主からすると一緒に働きやすいと評価できるでしょう。秘書検定を取得していることは、秘書のみならず多数の職場でビジネス常識を習得していることを示せます。
ドラッグストアや薬局は働く人の人数が小規模で、密な関係になるため、こういった常識があることを秘書検定で示せれば、就職・転職が有利に働くでしょう。
NR・サプリメントアドバイザー
NR・サプリメントアドバイザーとは、一般社団法人日本臨床栄養協会が主催するもので「一般の消費者に対して保健機能食品やサプリメントについて、専門的観点から個々人の栄養状態を評価し、適切にアドバイスできる資格者」として認定する民間資格です。
引用:NR・サプリメントアドバイザーとは|一般社団法人日本臨床栄養協会
ドラッグストアや薬局では、サプリメントも販売しています。
栄養状態を評価した上でサプリメントのアドバイスもできることで、サプリメントの販売に貢献できます。
そのため、ドラッグストアや薬局に就職・転職するのに有利な資格といえるでしょう。
参考:NR・サプリメントアドバイザーとは|一般社団法人日本臨床栄養協会
薬剤師におすすめな経営や管理能力の資格
薬剤師も組織の中では経営や経営管理をしなければなりません。
経営や経営管理能力を有することを示すのに役に立つ資格には次のものがあります。
資格名 | 資格の概要 |
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司法試験 | 弁護士・検察官・裁判官になるための試験 |
行政書士 | 許認可の取得や書面の作成の代行ができる国家資格 |
司法書士 | 法務局への申請や裁判所に提出する書面作成などの代行ができる国家資格 |
社会保険労務士(社労士) | 人事・労務管理、年金・医療・雇用保険などの手続きを代行する国家資格 |
弁理士 | 知的財産権に関する手続きを代行する国家資格 |
中小企業診断士 | 経営コンサルタントの基礎知識を有することを示す国家資格 |
メンタルヘルス・マネジメント検定 | 会社員の役割・階層に応じて必要なメンタルヘルスの知識・スキルの習得を判定する検定 |
日商簿記検定 | 経理や損益計算書、貸借対照表などの財務諸表の作成に関する民間検定 |
ビジネス実務法務検定 | ビジネスに必要な法的知識の修得を証明する民間資格 |
司法試験
司法試験は、弁護士・検察官・裁判官となることができる資格を取得するための国家試験です。
民法・会社法・商法・民事訴訟法などの深い知識を学ぶことができ、法的な問題への素養を示すことができます。
近年は会社の中で社内弁護士を雇用することも増えており、司法試験に合格して司法修習を経て弁護士として登録し、薬剤師としての知識・経験を活かして製薬会社の社内弁護士として勤務することも考えられます。
そのため、製薬会社などの社内弁護士の募集などの就職・転職には非常に役に立つでしょう。
また、薬剤師としての知識をベースに、医療過誤・調剤過誤などの分野に強みをもつ弁護士として活躍することも考えられます。
薬剤師として働くにしても、弁護士として働くにしても、就職・転職には大いに有利となるでしょう。
参考:司法試験|法務省
行政書士
行政書士は、許認可などの官公署に提出する手続きや、法的な書面の作成を代行することができる国家資格です。
試験の中で民法や会社法などのビジネスに必要な法律を学ぶので、法的な問題への素養を示すことができます。
法的な問題に対応するようなポジションに転職・就職するのに有利となる資格といえるでしょう。
また薬局の解説には許可が必要で、薬剤師という肩書でこれらの業務を取扱うにあたって専門性を示すこともできます。
司法書士
司法書士は、不動産や商業登記申請の手続きなど法務局への手続きの代行や、裁判所に提出する書面の作成を代行できる国家資格です。
行政書士と同じく民法や会社法のほか、民事訴訟法などの手続きに関する法律を学びます。
行政書士よりも試験範囲が広く、さらに求められる法的知識の程度が高く、難関であることが知られています。
行政書士と同じく法的な問題に対応するようなポジションに転職・就職したり、薬に関する会社設立などで活躍できるでしょう。
参考:司法書士試験|法務省
社会保険労務士(社労士)
社会保険労務士は、労働保険や社会保険に関する手続きを代行する国家資格です。
ドラッグストアや薬局経営でも、労働保険に関する諸手続きが必要です。
また、社会福祉に関する制度として、社会保険に関する知識は欠かせせません。
社会保険労務士試験に合格することは、これらの労働保険・社会保険に関する知識の習得を示すことができます。
労働者としての薬剤師の地位を考えなければならない、病院・福祉施設で社会保険に関する知識があることを示さなければならない、といったポジションへの就職・転職に非常に有利になるでしょう。
参考:社会保険労務士試験|全国社会保険労務士連合会試験センター
弁理士
弁理士は、知的財産権に関する手続きの代行を行う国家資格です。
特許や実用新案、商標、意匠などの知的財産権についての申請を代行します。
製薬会社などで社内で特許申請をするなどの知的財産権の管理についての知見が問われる部署がある場合には、就職・転職で大きなアドバンテージになります。
また、薬剤師としての知識を活かして、新薬についての特許申請の代行を専門とする弁理士になるというキャリアも開けます。
参考:弁理士試験|特許庁
中小企業診断士
中小企業診断士は、中小企業の経営課題に対応するための診断・助言を行う国家資格です。
中小企業診断士試験に合格すれば、中小企業の経営課題に対応するための知識が身についていることを示せます。
どのようなところで働くにあたっても、組織人としての経営の知識が必要となることがあります。
薬剤師とのダブルライセンスで、勤務先で就職・転職やキャリアアップに役に立つだけではなく、ドラッグストア・薬局・クリニックなどの経営コンサルタントとして活躍することも可能でしょう。
参考:中小企業診断士試験|一般社団法人日本中小企業診断士協会連合会
メンタルヘルス・マネジメント検定
メンタルヘルス・マネジメント検定は、大阪商工会議所が主催する「働く人たちの心の不調の未然防止と活力ある職場づくりを目指して、職場内での役割に応じて必要なメンタルヘルスケアに関する知識や対処方法を習得する」資格です。
引用:メンタルヘルス・マネジメント®検定試験とは|大阪商工会議所
働く人の心の不調への知識や対処方法が習得できるので、精神科・心療内科領域の専門性を取得できるほか、職場でのメンタルヘルスマネジメント能力を示すことができます。
そのため、ダブルライセンスによって就職・転職に有利となるでしょう。
参考:メンタルヘルス・マネジメント®検定試験とは|大阪商工会議所
日商簿記検定
日商簿記検定は、日本商工会議所が主催する、貸借対照表や損益計算書などの財務諸表を作成したり分析する能力を試す資格です。
経理職に就く人が取得するイメージが強い日商簿記検定ですが、財務諸表への理解はビジネス常識として欠かせません。
将来は独立する、管理職を目指すには財務諸表への理解は不可欠で、日商簿記検定の取得はこれらの能力の基礎があることを示せます。
そのため、就職・転職などに有効な資格といえるでしょう。
参考:簿記|日本商工会議所
ビジネス実務法務検定
ビジネス実務法務検定とは、東京商工会議所が主催する、ビジネスに関する法律知識を問う国家資格です。
行政書士・司法書士などのように、資格をもっていることで業務ができるというものではありませんが、ビジネスに関する法的知識を体系的に習得できるという特徴があります。
経営に関する法律を網羅的に取り扱うので、民法・会社法・商法・労働法・民事訴訟法などだけではなく、知的財産権・景品表示法など、国家資格では学べない法律についても勉強できます。
業務を行う上で法律問題にも気付けるスキルがあることを示せるので、ダブルライセンスにより就職・転職に有利となるでしょう。
薬剤師として店舗の取得や内装などに携わる場合
薬剤師として、たとえば新しい薬局やドラッグストアの開業、用地取得などに携わる場合に役に立つ資格として次のものがあります。
資格名 | 資格の概要 |
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商業施設士 | あらゆる商業施設の、運営管理システムや店舗の構成・デザインなどを全般的にに計画できる民間資格 |
宅地建物取引士(旧名称:宅地建物取引主任者) | 不動産取引の専門家である国家資格 |
インテリアコーディネーター | 薬局にベストなインテリアが提案できる民間資格 |
商業施設士
商業施設士は、公益社団法人商業施設技術団体連合会が主催し、商業施設の企画、設計、監理、施工、運営などに対して専門家として公正に職能を発揮できる専門家であることを示す民間資格です。
商業施設の運営に関する知識を習得できるため、薬局やドラッグストアのような店舗運営に役に立ちます。
参考:商業施設士資格について|公益社団法人商業施設技術団体連合会
宅地建物取引士(旧名称:宅地建物取引主任者)
宅地建物取引士は、宅地又は建物の売買や賃貸などの不動産取引を取り扱う国家資格です。
学習過程で民法や不動産についての学習をします。
薬局やドラッグストアなど事業に関する不動産売買・賃貸についての活躍が期待できるでしょう。
そのため、不動産の契約などを業務とするポジションがあれば、就職・転職に有利でしょう。
インテリアコーディネーター
インテリアコーディネーターは、公益社団法人インテリア産業協会が主催する、インテリア計画や商品選択のアドバイスなどを行う能力があることを示すための民間資格です。
店舗や施設などで内装に関する仕事がある場合には、ダブルライセンスとして取得することで就職・転職が有利になるでしょう。
参考:インテリアコーディネーター資格試験|公益社団法人インテリア産業協会
薬剤師がグローバルに活躍するための資格
薬剤師としてグローバルな活躍を目指すためには、以下の資格がダブルライセンスにおすすめです。
資格名 | 資格の概要 |
---|---|
TOEIC®️テスト | 総合的な英語能力を評価する民間資格 |
手話技能検定試験 | 手話のスキルに関する民間資格 |
TOEICⓇ
TOEICⓇは、一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会が主催する、英語でのコミュニケーション能力をはかるための民間資格です。
近年インバウンド需要からドラッグストアでも外国語での接客が不可欠です。日本を訪れる外国人と薬の購入についてのコミュニケーションを取るために、英語をはじめとした互角力は欠かせません。
また、海外の論文を読むなどする機会が多い、研究職でも同様でしょう。
そのため、就職・転職に有利な資格といえるでしょう。
参考:TOIEC|一般財団法人国際ビジネスコミュニケーション協会
手話技能検定試験
手話技能検定は、特定非営利活動法人手話技能検定協会が主催する、手話のスキルを認定するための民間検定試験です。
薬局やドラッグストア、病院・福祉施設などで、バリアフリーの観点から手話ができる薬剤師がいることはプラスになります。
そのため、ダブルライセンスで就職・転職に有利となるでしょう。
パソコン・IT関係の技量を示せる資格
どのようなところで勤務するにあたってもパソコン・ITと関わることになります。そのためパソコンやIT関連の技量を示せる資格が役に立つことがあります。
資格名 | 資格の概要 |
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日商PC検定 | 基本的なIT・ネットワークの知識の証明となる民間資格 |
MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト) | WordやExcel、Powerpointなどの技能を証明する民間資格 |
ITパスポート | ITの基本的な知識を証明できる国家資格 |
エンジニア・プログラミング | Webサービスやアプリを作り上げるスキルが生かせる、AI技術の理解ができる |
日商PC検定
日商PC検定は、日本商工会議所が主催する、会社での業務に必要とされる実践的なIT・ネットワークの知識、スキルを有していることを示すことができる検定資格です。
業務で必須のWordⓇ・ExcelⓇ・PowerPointⓇを用いて業務を行うことを想定されている試験であり、職場で問題なくパソコンの使用ができることを示せます。
そのため、ダブルライセンスとして取得すれば就職・転職に有利です。
参考:日商PC|日本商工会議所
MOS(マイクロソフトオフィススペシャリスト)
MOSとは、株式会社オデッセイコミュニケーションズが主催する、WordⓇ・ExcelⓇ・PowerPointⓇの利用スキルを証明できる国際資格です。
業務で必須のWordⓇ・ExcelⓇ・PowerPointⓇの操作方法についての試験なので、きちんとこれらのソフトが利用できることを示せます。
そのため、ダブルライセンスとして取得すれば就職・転職に有利です。
参考:マイクロソフトオフィススペシャリスト(MOS)|株式会社オデッセイコミュニケーションズ
ITパスポート
ITパスポートは、ITに関する基本的な知識が証明できる国家資格です。
社会人はもちろんこれから社会人となる学生が備えておくべきITと経営全般に関する知識を問うもので、ITに関する基本的な知識が身についていることを示せます。
そのため、ダブルライセンスとして就職・転職に有利になるでしょう。
エンジニア/プログラミング
特定の資格ではありませんが、エンジニアやプログラマーとしての知識・経験を活かすことも考えられます。
薬局やドラッグストア・病院・福祉施設などで、システムやホームページ制作などを自分たちで行う場合があります。
また薬剤師としての知識や経験をもとに、クラウドサービスを開発する会社で活躍することも考えられます。
そのため、就職・転職に有利になるでしょう。
薬剤師の就職・転職に有利なそのほかの資格
薬剤師の就職・転職に有利なその他の資格として次のものが挙げられます。
資格名 | 資格の概要 |
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メディカルアロマセラピスト | アロマテラピーを活用し、心身の健康を支える高度な専門スキルを修得したしたことを証明する民間資格 |
ネイリスト技能検定試験 | ネイリストとしての技術を証明できる |
マッサージ・エステ | マッサージ・エステの技量を示す資格 |
ファイナンシャル・プランニング技能検定 | 生活に必要なお金や保険の基礎知識が学べる、薬剤師が異業種に転職する際も有利な資格 |
メディカルアロマセラピスト
メディカルアロマセラピストは、特定非営利活動法人日本統合医療協会が主催する、統合医学の視点からアロマテラピーを活用し、心身の健康を支える高度な専門スキルを修得したしたことを証明する民間資格です。
引用:メディカルアロマセラピストコース|特定非営利活動法人日本統合医療協会
アロマを取り扱っている薬局やドラッグストアで有資格者として貢献でき、就職・転職に有利となるでしょう。
参考:医療・福祉現場で必要とされる”統合医療”に特化した資格・検定制度|定非営利活動法人日本統合医療協会
ネイリスト技能検定試験
ネイリスト技能検定試験は公益財団法人日本ネイリスト検定試験センターが主催する、ネイリストとしての記述を示すための検定試験です。
爪に関する知識を習得できるので、たとえば巻き爪専門のクリニックで薬剤師として働くような場合に、ネイリストとしてのスキルがある薬剤師がいることは、経営上貢献する可能性があります。
そのため、就職・転職に有利になるでしょう。
参考:ネイリスト技能検定試験とは|公益財団法人日本ネイリスト検定試験センター
マッサージ・エステのスキル
マッサージ・エステについては様々な資格があります。
薬局の中には、老健施設とタイアップしてハンドマッサージの施術をするサービスを展開しているところもあり、ハンドマッサージ・フットマッサージなどの資格で貢献できる可能性もあります。
そのため、就職・転職に有利です。
ファイナンシャル・プランニング技能検定
ファイナンシャル・プランニング技能検定は、お金の問題について顧客に提案する専門知識を示すための国家検定です。
病院や施設での相談に乗る際に、治療や療養のためのお金の工面の相談に乗れ、経営に貢献できることがあります。
また、ファイナンシャル・プランナーとして活動するにあたって、薬剤師という医療従事者支店から提案ができることもあります。
そのため、ダブルライセンスとして就職・転職に役に立つでしょう。
参考:FP技能検定とは|特定非営利活動法人(NPO法人)日本ファイナンシャル・プランナーズ協会
薬剤師のダブルライセンスはどんなメリットがある?
薬剤師がダブルライセンスを持つことで、仕事や転職の際に差別化ができます。
ほかにも、薬剤師がほかに資格を持つメリットをまとめました。
薬剤師の仕事と関連がある資格を取る
薬剤師の仕事と関連がある資格を取ることで、キャリアアップやスキルアップが望めます。
さらに仕事で活躍をしたい人は、医療系や介護系の資格がおすすめです。
薬剤師と関連がある資格を取れば、すぐに仕事に反映できてやりがいを感じられるでしょう。
薬剤師の業務に差別化できる
薬剤師の業務に差別化が図れることは、資格取得のメリットです。
例えば学生の指導や新人教育では、認定実務実習指導薬剤師の資格が役に立ちます。
ほかの薬剤師ができない仕事を担当することで、手当がついたり、いいポジションに就けたりすることが期待できます。
薬剤師の転職で活用できる
薬剤師に限ったことではありませんが、資格取得は転職で有利です。
倍率が高い求人では、持っている資格が多い応募者ほど採用に近づく可能性があるため、転職前に資格の取得を計画しましょう。
企業が求めるスキルにマッチする資格があれば、自分が希望する仕事につきやすくなります。
あたらしいサービスを提供できる
自分が持っている資格を活用することで、薬剤師として新しいサービスを提供できる可能性があります。
薬局でネイルケアやマッサージのサービスを提供したり、健康の指導教室を開催したり、事業の展開が望めるでしょう。
直接的に医療とは関係がないサービスでも、女性や子どもに人気が高かったり、世間で流行っていたりすると一定の需要が望めます。
薬剤師のダブルライセンスは目的を明確にして取ろう
薬剤師がダブルライセンスを取得する際は、目的を明確にして受験してください。
難易度が高い国家試験を取得したからといって、必ずしも薬剤師の仕事やスキルアップ、独立に結びつくとは限りません。
資格取得は転職や新規事業にも有利ですが、自分がかけられる勉強時間はどれくらいか、よく吟味してどの資格を取るか選びましょう。
人数が増えている薬剤師。
就職・転職にあたって、差を付けるための工夫として、ダブルライセンスは有効です。